Karin KOLSTER-KELLY | STONE RINGS
2018年11月23日(金) - 12月17日(月)
『今年の指輪には、明るい光を感じると思うわ。すべてイタリアでつくったから』
この夏、ウンブリアにある友人の職人の工房に滞在していたカーリンから、日日の展示会のためにつくった新作50点が届きました。
カーリン・コルスター・ケリ|KARIN KOLSTER-KELLY
1960年にドイツ北部にあるノイミュンスター市に生まれ。ハイデルベルグ教育大学で芸術と障害者教育を専攻したあと、ギャラリーアシスタント経験をきっかけに、シュヴェービッシュグミュントの造形大学とプフォルツハイム造形大学でジュエリーを学ぶ。教育者から表現者への転身は37才のときだった。カーリンが(ほぼ)指輪しかつくらないのは、彼女が心から石を愛するコレクターであることに由来する。
上は13世紀ごろ、北インドのイスラム系コイン。写真のほか、ギリシア東方のエヴィア島で使われた、紀元前3〜2世紀のコインや、彫刻が施された中国の古い翡翠なども。
石マニアでもあるカーリンがつかうのは、着色も加熱も一切受け付けない自然の石や古いコイン。それぞれが蓄えてきた時間と物語を受け止め、引き立てる土台づくりがカーリンの仕事といってもいい。
U字になったアームは、カーリンの仕事のアイデンティティだ。指と指のあいだに挟み込んだ石を掌全体が受け止める。体と石がつながる。そしてまた石は次の人生を歩みはじめる。