THIS YEAR'S “NEW TEA” SHINCHA EXHIBITION | tea cups and bowls
2019年5月3日(金) - 5月20日(月)
茶を喫む。わずか四文字が、手から口から、からだ全体を駆け巡り、ときには空間、時間、言葉を越えた経験に変わることを、私たちはよく知っています。今年の「新茶展」では、いずれも日日で初めてご紹介する有為な四人に、煎茶器の制作をお願いしました。ちょっと一服。立ち上がる湯気を眺めながら、引き出しにしまいこんだアレコレを、思いめぐらせてみましょうか。
細川護光|MORIMITSU HOSOKAWA
1972年東京生まれ。幼少を熊本で過ごし、伊賀の土楽窯にて福森雅武氏に師事。湯河原 不東庵を経て、平成17年熊本にて開窯。小さきにも心を配り、大きに揺るがない護光さんの碗から、深い呼吸が伝わってきます。今回は井戸、信楽、粉引、楽などを試み、景色ゆたかになりそうです。
金重多門|TAMON KANESHIGE
1977年岡山県生まれ。父、金重 愫氏に師事し、伯祖父である金重陶陽、祖父の素山から脈々と続く備前焼の是を受けつぐ。動力を使わず手足で仕込む土。それを生かす窯焚き。多門さんの碗は使えば使うほど、その端正がわかります。緋襷の汲出、湯呑をはじめ、釉薬の碗も並びます。
菊池克|KATSU KIKUCHI
1972年東京生まれ。大学を卒業後にスペインへ渡り、そこで出会った陶芸の道を志して、唐津の中川自然坊に師事。国東半島に開窯。今回は、初めての土と釉薬で挑んだ井戸の碗、粉青の筒湯呑など、コツコツと勉強を重ねる彼らしく、古典に克さん流の新風を吹き込む碗になりました。
中里花子|HANAKO NAKAZATO
1972年佐賀県生まれ。16歳からアメリカ在住。父、中里隆氏より陶芸を学び、アメリカと唐津の双方で作陶する。ハウスを聴きながらロクロを廻す花子さん。アスリートのごとく、しなやかに土に向かう彼女の碗はのびのびして、しのぎ、面取り、刷毛目、貫入など、多彩な表情です。
木の茶筒、急須や宝瓶など、冬夏の定番の道具はもちろん、お問い合わせの多かった湯沸に、特注の1.8ℓサイズが新着します。日日、冬夏、すべてが「新茶」で潤う初夏が、はじまります。