仁城 逸景 木のうつわ

仁城 逸景
木のうつわ

Ikkei NINJO | WOODEN ​WORKS

2019年3月1日(金) - 3月18日(月)

作家在廊 3月1日(金) - 3月3日(日)
10:00 - 18:00
火曜定休

トチの巨木を惜しみなくつかって椀を挽く。一片の無駄も出ないよう、神経を張り巡らせた木取りが命になる。樹齢百余年の材が、10年ほどの年月をかけて乾かされ、堅さと粘りを蓄えた木地から、きめ細かで、割れづらく、歪みの少ないお椀ができる。その贅沢、手間ひまを声高に言うことはない。使うひとの、手が口が知っている。たとえばまだ話せない幼子であっても。

一切の下地をせず、直に塗った生漆によって木は艶やかに補強され、脈うつ木目が立ち現れる。

仁城家の仕事場は木に囲まれている。旋盤のベルトが廻ると、空気がうなり、土や柱や床を伝って家中が共鳴する。この振動が逸景さんを育てた。仕事の中心は、あくまでも木地にある。

定番の漆以外にも、無垢の味を生かす、焼いて焦がすなど、仕上げの可能性があるかもしれない。日日で迎える初の個展で、木と今に向かう逸景さんの、あたらしい問いかけが見え隠れする。今回はトチ、クリ、ケヤキをつかった木のうつわを、たっぷりご用意いたします。

仁城逸景|IKKEI NINJO
1986年倉敷市に生まれる。高校卒業後、父である仁城義勝を手伝ううちに、自分も木の器をつくって生きて行くことを決めた。