Hisako SEKIJIMA | BASKETRY
2018年4月20日(金) - 5月7日(月)
#635〈組・織の間 -虚 Ⅱ 〉クルミ
Structural Discussion – negative space Ⅱ, walnut
「編むという行為は、人と自然とが出合った、言うなれば技術の原点のようなものです。新石器時代にはすでに今あるかごと同じレベルになっています。都市に住んで普通の暮らしをしていますが、庭に種をまいて10年待ってクルミの枝を切り、皮を取って材料にしています。素材の源泉から関わると、考える楽しみが多角的になり創作意識が刺激されます」
関島寿子|HISAKO SEKIJIMA
1966年津田塾大学英文科卒業。1970年代の後半にニューヨークで、工芸を概念的に扱う造形の動きに触発されて以来、新しいかご作りの旅を続ける。「かごは実用的にも素晴らしいものですが、中に空間を含んだ独特の容れ物の形態や組織の間の隙間などの「虚の空間」や構造の論理に、ある種の抽象的な美しさを感じます。素材や構造と形について分析的に考える楽しさは、年を経てますます増えて行く気がします」
#601〈変位 Ⅱ 〉コウゾ
New Phase Ⅱ, kozo
「この作品は組織に頼らず、かごの領域を材料の質的変化から拡げてみたものです。紙すきや、タパという樹皮布によく使われる、コウゾの樹皮を叩いて布切れのように柔軟にし、8つの角に沿うようにして、小さな空洞を厚みのある層でしっかり包み込んでいます」
「編むを分解すると、絡める、結ぶ、巻く、組む、織る、捩(もじ)るという6種の行為が見えてきます。どれも特別のものではなく、例えば靴ひもを結んだりするような、日常的にしている行為ともつながっています。このように、編み方の名前が付いていなかった時代のように振る舞えば、かご作りは本来自由で柔軟なものなのです」
#609〈反発の和 Ⅳ〉オカメザサ
Resilience Ⅳ, okamezasa
トークイベント|編む人、編まない人。
話すひと 関島寿子
4月22日(日) 14:00 – 15:00
参加無料/予約不要
木や植物の皮や枝、茎を編んでいく関島さんの作品は、日頃なじんだ「カゴ」のイメージを、小気味よくしなやかに裏切ってくれます。関島さんの「編む」を解きほぐしながら、涌き出でる創造と好奇心について伺います。
#628〈空の枝 Ⅰ 〉クワ
Hollowed Branches Ⅰ, mulberry