関島寿子 バスケタリー

関島寿子
バスケタリー

Hisako SEKIJIMA | BASKETRY

2024年12月6日(金) - 23日(月)

11:00 - 18:00 火曜定休
作家在廊:12月7日、8日

GALLERY TALK(参加無料、予約不要)

「バスケタリーの定式と創作の関係」
日時:12月7日(土)14:00 - 15:30
場所:日日 gallery nichinichi
話すひと:関島寿子、島崎慶子
 
島崎慶子(菊池寛実記念 智美術館 学芸課長)
2008年に菊池寛実記念 智美術館入館。現代陶芸専門。2019年4月から同館主任学芸員。近年の企画・担当展:2018年「線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」、2019年「野蛮と洗練 加守田章二の陶芸」、2020年「菊池コレクション―継ぐ 今泉今右衛門、酒井田柿右衛門、三輪休雪、樂吉左衞門」、2021年「三輪龍氣生の陶 命蠢く」、2022年「畠山耕治ー青銅を鋳る」、2023年「河本五郎 反骨の陶芸」、「陶芸の進行形」
 
VIEWING ROOM
本展のバスケタリーをVIEWING ROOMでご覧いただけます。
 
Instagram
本展の様子や出品作品を@gallery_nichinichiでもご紹介いたします。
 
ZOOMでのお買い物
ギャラリーにお越しになれないお客様のために、ZOOMにて作品をご案内いたします。常設作品についてもご案内可能です。メールでご要望をお聞かせください。

「編む」という技法と歴史を徹底的に分析し続ける関島は、生活道具との強い結びつきから敢えて切り離すことによって、バスケタリーの新たな可能性を引き伸ばそうと果敢に取り組んできました。1978年以来、その数は驚くことに2024年現在で700点までに及ぼうとしています。

関島の作品は、用途や機能を問わせない強い存在感を放ち、対峙する私たちを積極的に既知の未知へと誘います。

関島がバスケタリーに用いる素材は、編みやすく育てられた植物ではありません。自然界に自生する植物だけを用い、それぞれの形質に緻密に忍耐強く付き合いながら、組織の新たな可能性を引き出すことによって、設計図では表現しきれない線が作品を構成します。組織は編まれることによって構造となり、輪郭をつくり、平面から立体へとリズミカルに変容していきますが、そのリズムさえも素材の形質がもつ造形の定式となり、綿密に組み合わされた知の産物としてのかたちを生み出すのです。

2024年最後の展示会として、日日では、バスケタリーアートの第一人者である関島寿子による個展「バスケタリー」を開催いたします。京都に於いて3回目となる今回の展示会では、「結ぶ」、「組む」、「捻じる」、「縒る」また「絡める」などあらゆる技法と天然素材を用いた「バスケタリーの定式」の集大成ともいえる作品が揃います。

 

関島寿子|Hisako SEKIJIMA
1966年津田塾大学英文科卒業。28歳の時に趣味としてラタン編みを始めた。1975年、夫の赴任地であるニューヨークに移る。ニューヨークの美術館やギャラリーを通して、さまざまな異国文化に接し、古来からの編み技法をじっくりと研究する機会を得た。米国の現代編み技法(バスケタリー)の最先端アーティスト(エド・ロスバック、ジョン・マックイーン)との出会いによって、初めてバスケタリーへの目を開かれる。このアーティスト達が、古来の編み技法をマスターしながらも、やがて自らの斬新的な手法を見出して行くのに魅力を感じ、この時から、バスケタリーのみに専念するようになる。多種多様な天然素材との取り組み、奇抜な編み構造を生み出す豊かな着想力、絵画的な想像力、作品の日常性と非日常性。そして魅力的なキャラクター。今日、関島寿子は世界的なバスケタリーの第一人者である。

主な著書
「バスケタリー。バスケットから草の靴までのプロジェクト」1986年
「自然を編む」‎ 創和出版  1986年
「バスケタリーの定式」 住まいの図書館出版局  1988年
「バスケタリーの定式:かごのかたち自由自在」 平凡社 2024年

photo by Yusuke NISHIBE