花と容れもの

花と容れもの

FLOWERS AND VESSELS | with floral artist Kentaro SUGI

2024年7月5日(金)- 8月5日(月)*会期延長

11:00 - 18:00 火曜、水曜定休
 
杉謙太郎さんによる花会
『日々の花のこと』
2024年7月5日(金)、6日(土)
時間:①13:00~15:00  ②16:00〜18:00
費用:5,500円
定員:各回5名
ゲスト:杉謙太郎さん
国内外で活躍される花人、杉謙太郎さんをお迎えし、日々の花や茶花についての花話を伺うとともに、杉さんの花生に立ち会い時空を共にします。また参加者のみなさんにも、展示中の花器を使い実際に花を生けていただくワークショップ&トークです。

*申し込み:お申し込みフォームより受付(6月20日(木)11時より)

 
VIEWING ROOM
本展ではVIEWING ROOMのご案内がありません。
作品についてはお電話(075−254−7533)、またはメールにてお問い合わせください。
 
Instagram
本展の様子や出品作品を@gallery_nichinichiでもご紹介いたします。
ZOOMでのお買い物
ギャラリーにお越しになれないお客様のために、ZOOMにて作品をご案内いたします。常設作品についてもご案内可能です。メールでご要望をお聞かせください。

夏至。地球を回る太陽の高度が最も高くなり、一年のうちで最も日が長くなるこの時期、京都の町は高揚と祈りに包まれます。7月1日から約1ヶ月半ものあいだ、精霊たちが舞い戻ってくるのです。京都の大祭、疫病退散の祈願である御霊会の「祇園祭」は、厳粛な氏子によって千百年もの時を絶えることなく、連綿と受け継がれています。一方、京都人みなが祈る儀式のひとつに「送り火」があります。8月13日から16日に舞い戻ってくると言われる先祖の精霊たちを、再び黄泉国へ送るための儀式として、16日の夜に京都の町を取り囲む五つの山に松明を灯し、その炎に手を合わせて見送るのです。

文字を持たない古代の時代から、人々はみな祈りを分かち合うことで結束を固め、赦しと安らぎを求めてきました。儀式のなかで用いられる水、炎、花、舞、太鼓や鈴などの楽器の音、神輿や豪奢な調度品は、心を合わせるための可視化された装置であり、再生のエネルギー、そのシンボルでもあります。

この時季にあわせ、「花と容れもの」展を開催します。なぜ人は花を手折り、それを愛でるのでしょうか。花の姿に何かを求める源泉、そして美醜を分つ心は特別なものでしょうか。花が咲いている、その歓びはどこから来るのでしょうか。本展示では、花を生けることに改めてフォーカスします。花を受け止める器という視点で、花器はもちろんのこと、かご、ザル、盆など、時代、作家を交えて、さまざまご紹介いたします。

また、この展示会にあわせて花人の杉謙太郎さんをお迎えし、花会を催します。30年以上にわたって花に従事してきた杉さんは、ご自身の花会を「生の会」と称します。

杉さんが日日で見せてくださる花、その姿を手がかりとして、花と容れもの、花と暮らし、そして花と心を、皆さんとともに学び味わいたいと思います。

【杉 謙太郎|Kentaro SUGI】
1975年 福岡生まれ。18歳より花の道へ、原田耕三に師事。古典花道という領域の「いけばな」を学び、独自の表現を追求し続けている。旧式の「いけばな」ではなく、様々な視点と角度から作品を生み出す姿勢が、生花に新しい時代の息吹を注ぎ込む。杉謙太郎の花会とは、約1時間半から2時間程度、杉自身が実際に花を生けるところを拝見する会であり、次々と生けられる花の命は、生の一瞬を閉じこめたように強い光を放ち、そして跡形もなく消え去る。参加するひとは生の会とも言うべき時空に立ち会うことになる。

2013 年 museum as itis にて花会
2014年 志賀直哉旧居、新薬師寺、東大寺二月堂参籠所での花会
2015年 濱田庄司参考館にて花会
2016年 台湾上海にて花会
2017年 東大寺 狂言舞台と花の奉納、北京にて花会
2018年 小田原老欅荘にて花会、韓国 オランダ パリにて花会
2019年 新潮社 工芸青花にて花会
2023年 江之浦測候所にて花会、多摩美術大学にて花会、金沢工芸美術大学特別講義
2024年 東京画廊にて個展、東京、パリにて花会
奈良 東大寺観音院にて花会
中国 anayaにて花会予定
六本木ヒルズアートナイトにて花会予定

写真:奥山晴日