OMIZO Shouseien | BONSAI
2022年10月28日(金)-10月31日(月)
「黒松 懸崖」樹齢約50年、樹高31cm
私たちは、ときおり大自然を求めて旅に出る。標高2千メートルを越えるとそこは、厳しい風に耐え、大きく枝をしならせて生きる灌木たちの群れだ。休息を与えてくれない高山で、私たちは鼓動に耳を傾け、無事を信じる力を養う。ある時は深い森に分け入り、老木の樹肌に触れる。その穏やかさと静けさは、なぜにこうも心を宥めるのだろう。
盆栽は時間と場所を越えて、私たちを旅に誘う。嵐や日照りや、幾多の拘束を受け入れながら、枝葉を伸ばし続ける姿は、あの旅で出会った樹々なのだ。一方で、足元に目をやれば、これほど小さな器が大きな樹景を支えていることへの驚き。大と小。受と授。線と点。過去と未来。有言と無言。静と躍。幾多もの両極をつなぐ線のうえに、盆栽がある。
本展では、京都で4代にわたり盆栽を扱う大溝松清園より、当代園主の大溝陽亮さんをお迎えします。初めて盆栽を買うひとのための小作から、アートとして眺めたい大作まで、見事な盆栽の世界をご紹介するとともに、剪定道具や盆器も並びます。古く中国で生まれ、日本では平安時代から愛でられてきたという盆栽。近年、伝統的な盆栽から世界に愛好家を増やしているBONSAIまで、改めて注目される盆栽がいざなう旅をお楽しみください。
「コマユミ 」樹齢約15年、樹高23cm
「赤松」樹齢約100年、樹高 70cm
「コウチワカエデ」樹齢約20年、樹高20cm (落葉時16cm)
「山柿」樹齢約35年、樹高 60cm
大溝陽亮| Yosuke OMIZO
1971年生まれ。松清園4代目。高校卒業後、2年間3代目義昭のもと盆栽を学び、愛知県豊橋市の三ツ矢東海園にて5年間にわたる修行を終え、松清園を継ぐ。
日本盆栽協同組合員
日本小品盆栽組合員 同理事
全日本小品盆栽協会 認定講師
第42.45.47回日本盆栽作風展、組織委員長賞受賞
宮内庁出入