LUTZENBERGER + LUTZENBERGER イネハルテン - 繊細な鋳造

LUTZENBERGER + LUTZENBERGER
イネハルテン - 繊細な鋳造

LUTZENBERGER + LUTZENBERGER | INNEHALTEN - Subtle Bronze Castings

2024年1月3日(水) - 2月19日(月) *会期延長

作家在廊 1月3日、4日、6日、7日
11:00 - 18:00 火曜、水曜定休
*1月3日(水)は営業いたします。

VIEWING ROOM

出展全作品94点を、VIEWING ROOMで公開いたします(1月1日(月)午前0時公開)
・VIEWING ROOM公開後より、メールにて購入希望を承ります。
・店休中のお問い合わせにつきましては、1月3日(水)より順次返信いたします。
・ご購入希望は先着順にて承り、当方からの返信を以て確定とさせていただきます。

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本展の様子や出品作品を@gallery_nichinichiでもご紹介いたします。
 
ZOOMでのお買い物
ギャラリーにお越しになれないお客様のために、ZOOMにて作品をご案内いたします。常設作品についてもご案内可能です。メールでご要望をお聞かせください。

GALLERY TALK(事前予約制・先着順)

「一瞬のうちに永遠を見る」
日時:2024年1月8日(祝・月) 14時ー16時
人数:最大15名
お話しする人:Susanna & Bernhard Lutzenberger、橋本梓 (国立国際美術館主任研究員)
内容:現代美術の調査とキュレーションを専門にする橋本梓さんによるナビゲートで、SusannaとBernhardによるユニークな作品の根本、デザインの姿勢などについて二人に話を伺います。
予約申込先:mail@nichinichi.com
お名前、ふりがな、ご職業、携帯電話番号、メールアドレスを記載ください

本展示会では、春を待つ固い種や枯れた枝葉の中の、大きく成長していく生命のエネルギーと美を作品化した、デザインユニット「Lutzenberger + Lutzenberger」による94点を展示します。

公私ともにパートナーであるスザナとベルンハルトは、いずれも南ドイツに生まれ、豊かな森や湖、アルプスの山々といった自然に親しみながら育ちました。元々、プロダクトや空間のデザイナーとして活動する一方で、2000年以降は、聖なるものへの造形~教会の祭壇や典礼家具の制作を中心とした極めてユニークな領域を確固たるものにしました。石、木、金属、蜜蝋などの自然物を好んで使いながら、表面的な美しさだけに留まらない、心の深くにまで作用するような精神性の高い仕事は、国内外で非常に高く評価され、アートやデザインというカテゴリーを超えて活躍する、類を見ないアーティストユニットです。

本展は当初、2020年公開に向けて「innehalten」というタイトルと共に準備されていましたが、コロナ禍により延期を余儀なくされました。ドイツ語の「innehalten」は「一時停止」「小休止」と和訳されますが、広義には「驚嘆する」「ためらう」「意識する」という状態と知覚を含みます。3年の時を経て本展公開に至ることで、作品は図らずもその間に世界が経験した大きな価値観のシフトと時間を内包することになりました。今回の作品について、彼らはこう語ります。

「作品のテーマは、はかなさ、無常 – 消えていくことの中の美、間をとること- Innehalten、光と影、力強さと静かさ。小枝、木の実、蒴果、実の殻、ローズヒップなど。夏から秋にかけて木や植物から落ちてくる、そして時間とともに枯れていく、やがて自然に姿を消しながら、新しい芽に場を譲る生命の残骸を拾いました。この終焉の瞬間をとらえたいと、私たちはこの姿をブロンズに鋳造しました。現物は炉中で燃え尽きて灰となりますが、石膏にはその痕跡が残ります。この鋳型に液体金属を流し込んで充填すると、個々の鋳物は、現物の触感的な性格を完全に保っています。そのプロセスの結果として得られるのは、掌に入るほどの、そして限りなく繊細でありながら、力強さと明確な存在感、品格と厳重さを発しているブロンズの鋳造品です」

南ドイツの森に佇むフランケンホーフナー湖のほとり、 旅先のギリシャの海岸、京都など、これらの採取された94点のモティーフは、一点一点それぞれに採取場所の緯度経度が明記され、植物の学名とともに木箱に大切に収まっています。

親日家の二人は、漆芸や染織、和紙などの日本の工芸にも関心が高く、これまでも何度か来日しています。1月8日のギャラリートークでは、この「innehalten」展から透過されるLutzenberger + Lutzenbergerの仕事、デザインと発想、そのアプローチに迫ります。

永遠と一瞬の、心を震わす展示に是非お越しください。


Lutzenberger + Lutzenberger | Susanna Lutzenberger, Bernhard Lutzenberger
ルッツンベルガー+ルッツンベルガー|
スザナ・ルッツンベルガー, ベルンハルト・ルッツンベルガー
Susanna とパートナーであるBernhardによるユニット。Susannaは1963年バートライヘンハル生まれ。ヨーロッパの織物工房で働いたのち、シュトゥットガルト芸術大学でテキスタイルデザインを専攻。Bernhardは1958年アウグスブルグ生まれ。州立の宝飾専門学校で 銀細工を学んだのち、金属の工房を設立。その後、アジア、北米、メキシコを旅して Susannaとユニットを組む。1991年よりドイツを拠点としながら、プロダクトデザインから、 アー ト、インテリア、建築まで幅広い創作活動を行う。近年の活動の中心は、 アートと建築を融合させる主に聖なる空間のプロジェクトが多く、国内外から非常に高い評価を受けている。

1991年のユニット設立以降は、シルバーやステンレスによるフラワーベース、エスプレッソマシーン、燭台などのプロダクトデザイン、木をはじめとした自然素材を用いた家具、建築、展覧会の会場デザインなどを手が ける。2000年以降は、ミュンヘンやアウグスブルグなどドイツを中心としたヨーロッパの教会や病院の中の礼拝堂などへ、祭壇、典礼家具、典礼用具など教会におけるインテリアやプロダクトのデザインから祈りの部 屋、壁画、ファサード、内陣など聖なる空間や建築のデザインを手がけるようになる。

現在まで、ミュンヘン 聖心教会の祭壇の壁、典礼家具(2000年)、フリードリヒスハーフェン病院の礼拝堂祭壇の壁、典礼の場所 (2002年)、福音ルーテルガブリエル教会イスマニング、典礼の場所 (2009年)、マリアイマキュラータクロ スタースペンシャルト教会 内閣、洗礼堂、懺悔室(2012年)、聖キリアン・ロドハイム聖域、典礼家具 (2018年)をはじめ毎年複数のプロジェクトに携わっている。

PROJECT

教会名|Herz Jesu カソリックの聖心教会 (2000年)
場所|München ミュンヘン

教会名| St.Georg Freising 聖ゲオルク教会、聖域 (2001年)
場所|Freising フライジング

教会名| Evang. Luth. Stadtkirche プロテスタントの中央教会の門(2015年)
場所|Schwabach  シュヴァバッハ

教会名| St.Maria Magdalena マグダラのマリア教会、地下聖堂(2021年)
場所|Buchbrunn ブフブルン

教会名| St.Oswald 聖オスワルド教会(2022年)
場所|Stockach シュトッカッハ