村田匠也
新茶展｜茶のうつわ

私たちは村田さんの器を三度見る

それは勢いの姿
重力から解き放たれているかのように
天へと伸びている輪郭

磁肌はすべらかで愛くるしく
ふっくらと豊満で触れずにはいられない

それから掌でもう一度見る
これは確かに土、火に溶けた泥土の繋がり
圧倒的なろくろの仕事に
曖昧さに逃げない手仕事の品格があらわれている

そして雨の日に晴れの日に
使いながら私たちは見ることになる
華奢な見た目の下に隠れた骨太な触感
道具として使われることを望んでいる

祖父、父が仕事をする京焼の家で育ち
昭和、平成、令和と三つの時代を通して
膨大な数の焼き物に触れてきた村田さんが
造っては壊し、壊しては造り続ける焼き物の道

日本の茶器がつくりたい。
そうおっしゃってくださった村田匠也さんと
新茶の季節に、初めての個展を開きます。
急須、宝瓶、茶杯などの茶器を中心に新作がならぶ展示会です。
どうぞお越しください。

村田匠也｜Takuya MURATA
1982年、京都市生まれ
2004年、京都府立陶工高等技術専門校成形科卒業
2005年、京都市産業技術研究所工業技術センター卒業
現在、京都の工房にて制作