オットー・バイヤー チタンと鉄

オットー・バイヤー
チタンと鉄

Otto BAIER | TITANIUM and STEEL

2023年1月3日(火)- 1月23日(月)

11:00 - 18:00 火、水曜日定休
*1月3日(火)、4日(水)は営業いたします。

VIEWING ROOM

出展作品をVIEWING ROOMでも公開いたします。

Instagram

本展の様子や出品作品をInstagramでもご紹介いたします。

ZOOMでのお買い物

ギャラリーにお越しになれないお客様のために、ZOOMにて作品をご案内いたします。常設作品についてもご案内可能です。メールでご要望をお聞かせください。

かたち。それらには一切の装飾がなく、どこにでもあるように見えるのだ。近づいてみると、繋ぎ目は見当たらない。シンプルな造形は、プロセスの複雑さを際立たせる。一木から削り出したような造形、角造りまでも、ひとつの金属の塊を打ち出して造られていることがわかった途端、作品の意志は力強く、地鳴りのように響いてくる。

表面。複雑で、出来立ての、プリミティブな表情が好きなのだ。熾った炭の剛熱が金属をやわらかくして得られる生っぽい感覚。昔は表面を磨いた時期もあったが、今はありのままの姿のなかに楽しみがある。

素材。どんな素材も耐えられる以上の力を加えると壊れてしまう。しかし形は限界を超えるところに生まれる。目的にむかって何かをつくる。つくりながら、目的にまだ至らないところで、思わずに完璧なものが出てくることがある。やりすぎて破ける。思わずに完成に至る。そのどちらも面白い。

チタン。鉄よりはるかに硬く、道具すら傷めてしまう。ある温度に達すると、鉄よりも柔らかくなる。温度が下がればまた硬くなる。そしてびっくりするほど軽く、とにかく扱いづらい。チタンは特別な金属で、魅力的だ。

2023年の新春は、ミュンヘンの鍛治マイスター、そして造形作家のオットー・バイヤーさんの作品展を10年ぶりに開きます。日本では稀なアートとしての鍛治、その造形に触れてください。1月3日より皆様をお迎えします。

オットー・バイヤー|Otto BAIER
1943年、ミュンヘン郊外に550年続くドイツ最古の鍛治工房に生まれる。高校を卒業したあと、鍛治技術を学ぶ。1965年にアーヘン工科大学に進学、1968年の卒業とともに、鍛治工としてマイスター資格を取得し、1972年に工房を受け継いだ。以来、十字架や燭台、聖櫃などの教会のための仕事、そして噴水、鉄柵、日時計、門扉などの建造物、それから暖炉道具、ロウソク立て、トレイや鉢などの道具を手掛けてきた。工房には、鈍色の鉱物たちが棚に収められ、何十種ものハンマーやハサミが整然と並べられている。主人のいない工房は、インスタレーションのように饒舌で、水墨画を見るように、豊かな光に溢れている。オットー・バイヤーはドイツだけでなく、世界で最も著名な鍛治職人の一人であり、79歳の今も現役で鉄を打つ。

パブリック コレクション
ピナコテーク・デア・モデルネ、ハンブルグ工芸美術館、ディ・ノイエ・ザムルング

受賞歴

1982年 バイエルン州大賞
1999年 ダナー賞