李英才 器は彫刻である

李英才
器は彫刻である

Young-Jae LEE | Vessels are Sculptures

2022年1月3日(月)- 1月24日(月)

11:00 - 18:00 火曜定休
 
VIEWING ROOM
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碗/ Spitz bowl

李さんの焼き物は一見して、花器や鉢や茶碗のようだけれど、土味や古物への憧憬に存在の中心はない。ろくろを牽く。回転は外側へ逃げる力となり、手がその力をふたたび中心に戻そうとするとき、土は意思を持った姿に変わる。李さんはその力と作用に夢中になり、50年間ろくろを牽いてきた。いまもまだその道は続いている。

花器/ Spindle shaped vase

それは人の姿だと李さんは言う。たしかに土は立ち上がり、芯を空にして、天に向かって口を開けている。内側の緊張と弛緩がつくるアウトライン。1280度で焼き硬められた土は、堅固な意力の塊でありながら、何をも拒まず受け容れる力、ふくよかな度量が伝わってくる。

新しい風が吹いている。それらはまるで彫刻のように、見る人を別の時空へと誘い出す。本展では、ドイツと韓国という二つの暮らしから生まれた焼き物、東洋と西洋の対照的な芸術観の繋ぎ目を、陶芸家 李英才の仕事に見つめます。2019年に韓国の光州市立美術館で開かれた展覧会「YOUNG-JAE LEE  Emptying, Filling, and Emptying」展の出展作品を含め、4つのフォルムに焦点をあてて展示販売するとともに、工房マルガレーテンヘーエの食器類も併せてご用意しています。新春のお散歩がてら、是非お立ち寄りください。

 

茶碗 /Tea bowl

高台小碗/ Foot bowl

 

李英才 | Young-Jae LEE
1951年ソウル生まれ。ソウルのスードー女子大学で美術を専攻した後、韓国内で陶工としての修業の場を探したが、当時、女性を弟子入りさせる工房はなく、ドイツのクリスチーネ・タッパーマンの下に弟子入りした。ドイツでの生活やアーティストたちとの様々なつきあいを通じて、ドイツに残りたいと考え、ヴィスバーデンの応用科学大学に入学して陶芸とデザインを学ぶ。1978年に卒業すると、ハイデルベルク近郊のザンクトハウゼンに自分の仕事場をもった。1987年には、エッセンにある工房マルガレーテンヘーエの代表となる。工房マルガレーテンヘーエは、1924年、バウハウスの影響下に設立され、ドイツで一番古い陶芸工房の一つに数えられる。李は工房の職人達と共に、質の高い、機能的で、現代の美的感覚にマッチした、手作りの食器のシリーズを開発し始めた。このシリースはヨーロッパではバランスの取れた東洋と西洋との融合として好評を博し、その功績により、工房マルガレーテンヘーエは数々の賞を受ける。工房の代表としての職務のかたわら、李英才は自らの陶芸を磨き、芸術としての陶芸に取り組んできた。かたちを、円筒形と球形という基本的形体に純化し、花びんや鉢をロクロで引いて、自らが設計した薪窯で焼いている。李英才のものづくりの焦点は、ヨーロッパや東アジア古来のやきものの伝統を踏まえながら、うつわを彫刻的作品として捉えようとするところにある。自分の作品や工房の食器を、ドイツ、オーストリア、イタリア、フランス、スイス、日本、米国、韓国、台湾での数多くの展覧会に出展し成功を収めている。2016年 エウゲニウシュ・ゲッペルト芸術・デザインアカデミーより名誉博士号を授与。

パブリックコレクション
聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館
ベルリン国立アジア美術館(ベルリン)
ボストン美術館(アメリカ)
シカゴ美術館(アメリカ)
シカゴ
ケルン・サン・ピエトロ・アートセンター
東亜美術館(ケルン)
Hetjens Museum(デュッセルドルフ)
Museum of Applied Art(フランクフルト)
ハンブルク美術工芸博物館(ハンブルク)
イスラエル博物館(エルサレム、イスラエル)
バーデン州立美術館(カールスルーエ)
グラッシィ工芸美術館(ライプチヒ)
ピナコテーク・デア・モデルネ(ミュンヘン)
聖クレア教会(ニュルンベルク)
フィラデルフィア美術館(アメリカ)
ピーボディ・エセックス博物館(マサチューセッツ州セーラム、アメリカ)
オーストリア応用美術博物館(ウィーン、オーストリア)

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