Isaburo KADO, Yui KADO LACQUER WORKS

Isaburo KADO, Yui KADO
LACQUER WORKS

角 偉三郎 角漆工房 | ぬりもの

2 - 19 June 2017

10:00 - 18:00
closed on Tuesday

慣例的な形を壊しつづけ、偉三郎独特の解釈から生まれたぬりもの。吹いて膨らませたような丸み。踊るような自由。色気。そして彫刻のような影と光。角偉三郎が考え抜いた重箱、椀、猪口、片口、へぎ板は、仕事の大小を問わず、持つ人に圧倒的な存在感を訴えてきます。それでいて、道具としての使い心地は見事です。その仕事を息子の有伊さんが工房とともに受け継いでいます。「角はなにをやるか、わからん男や。」輪島塗を芸術的に洗練させながら、木と漆の生(うぶ)な状態を求め続けた偉三郎と有伊さんのぬりものを、たっぷりご用意します。

角 偉三郎|ISABURO KADO
1940年、石川県輪島に生まれた。中学校を卒業して後、15歳で沈金の名人、橋本哲四郎の下に弟子入りする。1962年に修業を終わると、角は沈金技法(漆に細い線を彫り、そこに金を施す技法)を用いた漆パネルなどの絵画風の作品に取り組み、アメリカの現代美術に強い影響を受けながら、現代漆芸に没頭する。その後はアーチストとして数々の賞を受けて日展無鑑査となるが、1970年代の初め、能登半島の柳田村の寺で、古い置き忘れの合鹿椀と出会った。この力強くてシンプルな椀に魅せられて、次第にうつわとしてのぬりものに関心を持つようになる。1982年、角は芸術家としての一切から退き、初めて椀だけの個展を開く。2005年、65歳で逝去

角 有伊|YUI KADO
1968年輪島市生まれ。高校を卒業して四代目須田菁華の元で陶芸を学び、器の根底を探る修行を経た。2003年、父の偉三郎、角漆工房の仕事に入る。角偉三郎美術館の開設にも尽力。2005年、角漆工房の代表となる。以来、毎年各地で多数の個展を重ねながら、偉三郎の遺した仕事を受け継ぐとともに、自身の漆の道を探求する。